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種を蒔く人

子どもの読書のことや、公共図書館、学校図書館の役割について斜め方向から考えます。

被災地を走った移動図書館

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 本が寄り添う、本で寄り添う

 

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東日本大震災のあと、ボランティアに入ったNPO団体が、

移動図書館プロジェクトを立ち上げました。

その立ち上げに奔走した日々のことや、

届けられた本がどんな風に憔悴しきった人々の心に寄り添ったのかを、

活動の中心人物である鎌倉幸子さんが、

3月11日当日から日を追って丁寧に伝えています。

「本の力」について、改めて考えさせられます。

 

 

走れ!移動図書館: 本でよりそう復興支援 (ちくまプリマー新書)

走れ!移動図書館: 本でよりそう復興支援 (ちくまプリマー新書)

 

 

イラク戦争終結後の町にも、いち早く古本屋が出来たということです。

人がとことん傷ついて、もう立ち上がれそうにないときに、

気持ちを奮い起こしてくれるのは、

心を癒し支えてくれる音楽などの文化ではないでしょうか。

本にも、間違いなく底知れない力があります。

そのことを、この移動図書館が証明してくれています。

 

 

小学1年生の1番目の絵本 

 

私は、子ども時代、それほどの読書家ではなかったと思います。

読書熱が急に上がるときと、そうでない時の差が激しく、

日常的に本を手放さないほどの、根っからの本好きな子ではありませんでした。

図書委員でもなかったし、

図書館掃除はサボりにサボっていました。

棚の影に隠れて、お喋りしていたり、

普段見ない百科事典で面白い写真を探すのが好きでした。

大英博物館のページはお気に入りで、友人たちにも見せてあげるほどでした。

 

 

学校では読書家でない私も、

親戚の家に預けられると、大人たちから、

「この子は本さえ与えておけばおとなしいねー」

と言われていました。

 

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両親は仕事で忙しくしていて、よく親戚の家に預けられていました。

私は、独り居のつまらなさと心細さを埋めるためだけに、

その辺にあった本の文字を読んでいただけです。

親戚の家の本棚から拝借した本は、ちっとも面白いわけではありませんでした。

だから、どんな本だったか、さーっぱり覚えていません。

  

 

アンディとらいおん (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)

アンディとらいおん (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)

 

 

小学校に入学した翌日にひとつ年上のTちゃんが、

早速休み時間に迎えにきて、学校を案内してくれました。

Tちゃんは末っ子で、

私のことを妹のように可愛がって世話をやいてくれました。

そのTちゃんが、まず連れて行ってくれたのが図書室でした。

「この本なら文字が少ないからきっと読めるよ」

と手渡され、図書の借り方から何から何まで手ほどきを受けました。

 

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その絵本こそ『アンディとらいおん』なのですが、

すごく面白くて、何度も読んだのでしょう。

今でもこんな風に、手にした時のことを覚えているほどですから。

初めて自分で本を借りたということも、自分で読めたということも、

1年生になったんだということも、全部ひっくるめて嬉しかったのだと思います。

 

ところが、親になったある日、

懐かしい気持ちから『アンディとらいおん』を手に取り開いてみると、

「文字が少ない」はずなのに、案外多いじゃないの?

はて?この本を、1年生の私は、本当に読んだのかな?

しかし、その内容は、寸分も違わず私の脳裏に焼きついた話そのものでした。

 

 

絵本の力、本の力

 

どうして小学1年生の私が自分で読めたのか。

その理由が、今なら分かります。

絵がすべての物語を伝えてくれています。

1年生の私のおぼつかない部分を

絵が汲み取って、読み聞かせてくれたんだと思います。

まったく、すごい絵本です。

スピード感があって、表情ゆたかで、

流れるようにストーリーを物語っていて。

裏表紙に描かれたライオンなんて、

その隆々とした脚やお尻の筋肉なんか、もう素晴らしくて、

今見ても胸がいっぱいになるくらい感動します。

 

 

熱く語ってしまいましたが…

 

私はきっとこの本と出会って、

本っていいもんだぁ〜って、

心に刻印されてしまったんだと思います。

だから、波はあっても今も本を手放さないでいるのだと思います。

 

 

鎌倉幸子さんの著書のおわりには、

「本の力」について、とてもシンプルに分かりやすく伝える詩が添えられています。

一節だけ紹介しますね。

 

本は、寂しさを紛らせてくれます。

一人の夜も、時間を気にせず、手を伸ばせばそばにいます。

 

 

機材がなくても、電気やケーブルやWi-Fiがつながっていなくても、

手を伸ばせば自分を楽しませたり、笑わせたり、泣かしてもくれる。

本って、すごいメディアですね。

 

 

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