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種を蒔く人

子どもの読書のことや、公共図書館、学校図書館の役割について斜め方向から考えます。

読み聞かせボランティアが流行ってしまった

人に貸した本は返ってこないと思えorz

 

わたしとあそんで (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)

わたしとあそんで (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)

 

 

『わたしとあそんで』という絵本があります。

この絵本はとても静かで、

小さな女の子の細い髪の毛のように柔らかな手触りだなぁと思います。

この絵本がわたしはとても好きなんです。

 

内容

女の子が湖畔へ遊びに行って、

周りの小さな動物たちに

「わたしとあそんで」

と声をかけるのですが、

動物たちは女の子が声をかけるとみんな姿を潜めます。

そこで、女の子は静かにじっとしていると、

さっき声をかけた動物たちがそっと近づいてくる

という話です。

 

 

やわらかい細い線で描かれていて、

小さな動物たちは小さくしか描かれていません。

遠目がきかないので、

集団を相手に読み聞かせする絵本には向きません。

どんなに良質な絵本でも、

集団への読み聞かせには向かない本もあるという一例です。

 

 

貸したんじゃなくてプレゼントとしたんだ…たぶん。

以前、小学校の読み聞かせボランティアをしていたとき、

新しく入ってきた方が、

「どんな絵本を読めばいいかわからない」とおっしゃるので、

アドバイスするときに、向かない絵本の例として紹介し、

「でも良い絵本だから、お子さんと読んでみて」

と貸したっきり返ってきません…orz

 

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「いつでもいいから、うちのメールボックスに入れておいて」

と言っておいたんですが…orz

もう忘れられておられるのでしょう…orz

 

 

私が迂闊だったのです。

人に貸した本は往々にして返ってこないものです。

人から借りた本は往々にして読まれないものです。

だから読みたい本は、買うか図書館から借りるべきです。

 

これは、10代後半に心に決めたことでした。

 

だから、誰かが本を薦めてくれて、かつ貸してくれると、

急いで読んで、忘れないうちに返さなくちゃ!と焦ってしまいます。

 

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さっきの本ですが、

もう、彼女にプレゼントしたことにしようと思っています。

私はそのボランティアをやめちゃったし…。

もう会う機会もないし…。

また買おうと思います。

 

 

ああ、でも、かわいそうなことをしました。

あの絵本は、彼女の家のどこかで、

誰からも読まれずに、忘れ去られているのでしょうね。

 

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 学校での読み聞かせボランティアが流行してしまったorz

 

「お前が言うな」と言われそうですが、

一体どうしてこんなに、学校での読み聞かせが流行ってしまったんでしょうね。

どうして、家庭での読み聞かせの方が流行らなかったんでしょうね。

 

流行にのっかって、学校での読み聞かせ人口が急に増えたことで、

残念なことになっている例があります。

PTAの委員会にしてしまった地域は、

PTAの役割ノルマを消化するために大勢集まるが1年限りでやめられるとか。

または、教育熱心なあまりに、

絵本で「何か教育的なことをしてやろう」と要らぬお節介に励んだりとか。

 

もちろん、しっかりしたグループもあります。

毎年新しいメンバーが入るたび研修をして、

学校での読み聞かせの意図や方針を伝え、

グループとしての姿勢を保持するよう努めておられます。

 

学校という公共の場で行うボランティアですから、

それなりの社会的責任を感じて活動すべきですよね。

 

 

ブックスタートの絵本が捨てられていたorz

 

さて、家庭での読み聞かせについては、

教育委員会あたりが、それ相応の「講座」を開いたり、

イベントをしたりして広める努力をしています。

ただ、ちょっと残念なことがあります。

講座を聴いたその場で絵本や児童書が借りられるよう、

即席のミニ図書館でも設置したらいいのに…。

登録カードもその場でささっと作ってあげられたらいいのに…。

 

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0歳児に絵本を配布する「ブックスタート」も同じです。

うちの市は子ども未来局がやっていますが、

公共図書館と連動して、その場に臨時に移動図書館があれば、

すぐに本が借りられるといいのに…と思います。

 

【参考:ブックスタート☟】

www.ehon-ej.com

 

 

そういえば…

以前、町内の資源ゴミ回収の当番をしていたら、

赤ちゃん絵本の傑作とも呼べる絵本がピカピカのまま出されていたんです。

この本です☟

いないいないばあ (松谷みよ子あかちゃんの本)

いないいないばあ (松谷みよ子あかちゃんの本)

 

 

今、確認したら、やっぱり…ブックスタートで配布された本のようですorz

 

この絵本は、私が救い上げてうちの子になっています(;^_^A

 

返ってこなかった私の絵本のことが心配です/ _ ;

 

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 幽霊?それとも幻?児童図書館員の現実

 

前記事に「児童サービス」のことを触れましたが☟

yo-mite.hatenablog.com

 

図書館には「児童サービス」というサービスがあります。

児童を専門にサービスを提供するもので、

そのための専門司書のことを、「児童図書館員」と呼ぶそうです。

日本図書館協会では児童図書館員を育成する講座を設けています。

 

只今、2016年度の講座が募集中です☟

http://www.jla.or.jp/Portals/0/data/iinkai/jidou/2016年養成講座募集要項(表裏).pdf:image=http://www.jla.or.jp/Portals/0/data/iinkai/jidou/2016年養成講座募集要項(表裏).pdf

 

 

けれど、日本には児童図書館と呼べるものは少なく、

公共図書館の一角に「児童コーナー」を設けるのが関の山です。

ましてや、専任の児童図書館員は現実には存在しません。

 

あの松岡享子さん(東京子ども図書館 名誉理事長)でさえ、

アメリカの図書館に勤務した後、帰国して、

せっかく「大阪市中央図書館小中学生室」の職を得たのに、

他の部署への異動をきっかけにその館を去ったということです。

 

 

これがリアルな現実だ!☟

医者になることよりも図書館員になることの方が現実に難しいのである。

ようこそ 戸田豊志の図書館員日記へ

 

 

行政は、

「図書館に本があれば図書館だろ」

という大きな勘違いをしています。

図書館員の仕事はカウンター業務くらいとしか考えていません。

また、図書館の業務には、多くの専門性があることを知りません。

 

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本の貸出なら、自動貸出ロボットを使えば、人手は足りるでしょうか。

人手が必要なのは、返却された本を棚に返すことくらいでしょうか。

それすらも、ロボットが賄える時代になりました。

いずれ図書館も無人で運営される日が来るのでしょうか。

(実際にそのような最新式図書館もあるそうです)

 

 

ちょっと極端な話になってしまいましたが、

児童図書館や児童コーナーは、

「この本を借りたい」と特定の本を求めて行くような場所とは違いますよね。

公共図書館の児童コーナーには、

子どもたちや、親子連れが、

ゆっくりと本を広げて読んでいる姿をよくみかけます。

 

 

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私が手伝う個人文庫だと、

お母さんが本を選んでいる傍らで、私たちがお子さんに読んであげたり、

一緒に来た下のお子さん(赤ちゃん)をあやしたりもします。

お母さんと軽い世間話なんかもします。

そうやって、自然と顔馴染みになっているのです。

 

 

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でも、公共図書館の児童コーナーには、こういう場面はありませんね。

児童コーナーには、このような、お節介にならない程度の、

さりげない利用者との関わり合いが必要です。

 

「うちの子の年齢にはどんな本がオススメですか?」

とか、

「僕は冒険ものが好きだけど、どの本ですか?」

とか、

  

いちいちカウンターに聞きに行くほどではないけれど、

すぐ近くに図書館の人がいるなら聞いてみよっかなぁ

みたいな質問って、あると思います。

 

そんな風に利用者が、気さくに声をかけやすい状態でないと、

サービスは行き届かないと思うんですが、どうでしょう?

 

 

公共図書館でも、このような地道な営みがないと、

家庭での読み聞かせは広がらない気がします。

子どもは絵本を読んでもらうのは好きですが、

もっと刺激があって面白いものがあれば、

すぐにそっちの世界に行ってしまいます。

大人のひとりよがりに選んだものは、すぐに飽きられてしまうでしょう。

でも、たくさんの絵本や児童図書を知って、

日々、子どもたちにそれを手渡すことを生業にしている児童図書館員の選ぶ絵本は、

きっとゲームやスマホの世界に負けない力強さを持っていると思います。

 

 

例えば、この絵本☟ 

おおかみと七ひきのこやぎ (世界傑作絵本シリーズ―スイスの絵本)

おおかみと七ひきのこやぎ (世界傑作絵本シリーズ―スイスの絵本)

 

 

グリムの昔話で、

作者はフェリクス・ホフマン、翻訳は瀬田貞二さんです。

日本での出版は1967年ですが、スイスでの初版は1957年です。

以来、世界中の子どもたちやその親たちに愛され読まれてきたわけです。

そして今確かめたら、我が家の本棚にある本はなんと!100刷目のものでした。

どうです?すごいもんでしょう。

日本だけでも、どれほど多くの子どもたちに手渡され、

また飽きられずに親から子へ読み継がれてきたのでしょうか。

次々に出ては消えていくようなメディアとは、

ちょっとわけが違うというか、根っこの力強さが桁違いな気がするんですね。

 

 

だから、

流行にのっかっただけの読み聞かせが盛んになるよりも、

家庭での読み聞かせが定着して、

子どもや、親子連れが多く図書館に足を運ぶ方が、

ずっと、子どもを読書へ導ける確率が増えると思うんです。

 

そのためには、スキルをもった児童図書館員がいないと意味がないのですが…。

 

 

 

まとめ:絵本から読書へ

 

子どもたちを絵本からどうやったら読書の世界へ導けるのか、

これはずっと抱えている私の課題なんです。

 

で、今の時点では、

子どものひとりひとりに良いタイミングをみつけて、

心にひっかかるものを与えないといけないのだなぁと…。

それには、本当にたくさんのことを自分自身が学ばなくてはならないのだなぁと…。

こんなことに気がついて、それで、まさに丁度今、

高い高い山の真下に立っているところなんです。

ドッヒャー(;゜0゜)とね、見上げているところです。

 

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児童図書館員」という職業が、名ばかりでなく本物になったらいいですね。

公共図書館学校図書館にちゃんと配置されて活用されるといいですね。

子どもたちが絵本の時代を終えてからも、

広くて深くてお手軽な本の世界に導いてあげられるといいですね。

そこまで手を携えてあげれば、あとはきっと大丈夫なはずですから。

 

 

おまけ:併せて読んでほしい記事

 

 

yo-mite.hatenablog.com

 

 

yo-mite.hatenablog.com