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種を蒔く人

子どもの読書のことや、公共図書館、学校図書館の役割について斜め方向から考えます。

知的財産への扉を開き、安心できる居場所にもなる学校の図書室

学校図書館のこと 公共図書館のこと すべて見てみたいときはココ☜

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保護者以外の信頼できる大人の存在は、

ある程度の年齢に達した子どもにとって大切だと思います。

なぜなら、

保護者とはまた違った価値観も知ることができるからです。

「親の知らないところで子は育つ」と言うじゃない?

子どもはそうやって、ちょっとずつちょっとずつ、

広い世の中へ馴染んでいくのでしょう。

特に、複雑な家庭環境に置かれた子どもには、

家の外の風は、ときに慰めになることも、

場合によっては生命を維持することにもなるようですね。

今は辛い境遇に居る子どもにも、

『世の中、そんなに捨てたもんじゃないな』

と思って大人になっていってほしいな。

 

 

子どもの心の成長の問題 

 

「子どもの心がうまく育っていないんじゃないか⁉︎」

と世の中の大人たちが気づき始めて、

もうだいぶ時が過ぎたというのに、

少年犯罪は、更に残虐化、若年齢化が進んでいます。

事件や事故が明るみになる度、

大人たちは驚き、焦り、恐れ、将来を悲観します。

しかし、論議されるには束の間のことで、

また新たに起こる事件や事故に掻き消されてしまいます。

これまでずっと、その繰り返しです。

 

あの世間を震撼させたサカキバラの事件から、

20年が経とうとしていますが、

当時、犯人と同世代だった子どもは、

今、ちょうど子育て世代となっています。

その間に、リーマンショックで経済はすこぶる冷え込み、

今でも決して経済が立ち直っているとは言い切れません。

それなのに、

消費税は上がり、物価は上がり、大規模災害が続き、

なんだかんだで、庶民の暮らしは悪くなる一方です。

貧富の差は、ますます広がるばかりです。

 

格差社会の問題 

 

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アメリカ社会の格差は日本の比ではないと言うが、

このままだと、そのうち日本も、

アメリカと同じように格差が広がるのではないか、とても心配です。

少子高齢化社会、女性が輝く社会、一億総活躍、

どれをとっても、人材が育たなければどうにもならないでしょう。

こんなに今日明日を生きるので精一杯の貧困家庭が増えていては、

この複雑な社会を支えられる人材など育たないのではないでしょうか。

 

 

アンドリュー・カーネギーと図書館 

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アメリカの公共図書館の発展には、

アンドリュー・カーネギーの多大なる寄付に支えられました。

「鉄鋼王」と呼ばれた大富豪は引退後、

英語圏の国々で公共図書館設置を支援し、

その数は2500館を超えるそうです。

なぜこれほどまでに、公共図書館への思いが強かったのでしょうね。

 

それには、アメリカの公共図書館の歴史を振り返る必要があります。

 

アメリカの公共図書館の歴史は19世紀に始まりますが、

当時の公共図書館は職業学校も兼ねていました。

本を貸したり講演会を開催したり技術研修などを行っていました。

正規の教育を受けられない労働者たちは、

図書館で新しい技術を身につけたということです。

つまり、公共図書館は、

貧しい市民の生活を改善させ、向上させる大きな役割を果たしていたのです。

また、工場が休みの日に、

行き場のない若者が路上にたむろするのを防ぐ効果もあったそうです。

図書館は、さまざまな人々が集うに望ましい娯楽場でもあったようです。

 

カーネギー少年は、1848年に両親と共にスコットランドから

ペンシルバニア州ピッツバーグに入植しました。

13歳で初めて就いた職は織物工場のボビン供給係だったそうです。

しばらくして電信配達夫の仕事に就きました。

勤勉だった彼はその後、資格を取り電信技士に昇格し、

その仕事熱心さや忍耐強さを買われ、

ペンシルバニア鉄道に秘書兼電信技士として引き抜かれました。

南北戦争終結後には、ペンシルバニア鉄道を退職し、

自らいくつかの鉄鋼会社を創業しました。

そして、1892年に、

それらの会社をまとめ、「カーネギー鉄鋼会社」としたのです。

 

このように、移民であった彼は、

若い頃から働いていて、正規の教育を受けていません。

しかし電信会社時代には、

上司が毎週土曜日に開放していた個人図書館に通い勉強に励んだそうです。

 

カーネギーにとって図書館は、もともと特別な存在だったようです。

というのも彼は、子どもの頃暮らしたスコットランドでも、

地元の図書館にいつも通って、

本の読み聞かせやストーリー・テリングを聞いて育ったのです。

 

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その図書館設立には、彼の父親も携わったのだそうです。

つまり、カーネギー少年の身近には幼い頃からいつも図書館があったわけですね。

そして、幼い時分に本やお話を楽しんだことで、

その後も図書館に慣れ親しみ続け、

並々ならない勤勉さや忍耐強さや向上心を培ったのだと私は思います。

  

図書館がわたしに世界の知的財産への扉を開けてくれたのです

 

これは、カーネギー自身の言葉です。

 

 

日本は図書館後進国

 

では、現代の日本では、図書館はどのようなものでしょうか。

身近に公共図書館の無いという地域も少なくないみたいです。

それもそのはず、日本は図書館後進国と言われています。

しかし日本の学校の多くには、学校図書館(以下、図書室)を設置しています。

だから、学校にさえ通えば、

いつでも図書室を利用できるはずです。(いつも開いていれば…)

好みの本を選び、家に持ち帰って楽しむこともできるはずです。

まさに、

「知的財産への扉」を

子どもたちのすぐ傍で開放しているのが、学校の図書室ではないでしょうか。

そして、その扉から公共図書館へも通じているはずです。

日本の図書館は、戦後に改めて整備されました。

誰にでも無料で知的財産への扉を開放している点では、

アメリカ・イギリスと変わりありません。

 

 図書館は、自ら助ける者を助ける。

 

これも、カーネギー氏の言葉です。

自らの力で未来を切り拓き成功した人の言葉は、確信に満ち、迫力を感じます。

 

 

学校図書館に期待できること

 

しかしそうは言っても…

いかんせん食べていけなくては、生きることすら難しいのです。

生きていなくては、何にもなれません。

 

今、子どもたちにまつわる問題のほとんどは、

結局、社会的弱者の問題と直結しています。

この問題を教師のみに任せていてはどうにも立ち行くわけがありません。

学力のこと、進路のこと、

学級、学年、学校全体のこと、日常の生活指導などなど、

教師は多くのことを担っています。

それだけでも、十分に時間が取れない状況のようです。

そのためもあって学校には、養護教諭スクールカウンセラー、学校司書など、

教師とは別の視点から子どもたちを見守る職員も配置されています。

この機能が、果たして十分かどうかは別として…。

 

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学校では、

このような教師ではない別の立場の相談しやすい人が

もっと重要視されるべきではないでしょうか。

子どもにとって、このような斜めな関係の大人は、

友人や家族との関係とは、また別の安らぎになるものです。

さらに教師の負担も軽くすることができるでしょう。

 

特筆すべきは、図書室の件です。

図書室は、保健室や相談室と大きく違う性質をもっています。

それは、特定の生徒だけでなく、誰もがいつでも利用できる点です。

図書室は、いつでも誰にでも開放されている学校で唯一の部屋かもしれません。

 

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