種を蒔く人

子どもの読書のことや、公共図書館、学校図書館の役割について斜め方向から考えます。

学校の図書室に専任の司書を置いたら、貸出冊数が5年で約3倍になった!

 

 

学校図書館:金沢の児童、5年間で2.9倍 司書増員/石川 - 毎日新聞

こりゃあ、素晴らしい

2016/02/12 10:08

 

 

 

金沢市立小学校の学校図書館に、

2011年度から司書を置いたら、

児童の平均貸出冊数がどんどん増えたらしい。

昨年度の集計結果では、司書導入前の2010年度から比べ、

なんと2・9倍になったそうだ。

 

 

司書って何をする人?

 

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では、司書って何をする人なのだろうか。

図書館のカウンターに居て、貸出や返却業務をしたり、

返却された本を棚に返したり、目に見える業務はそんなところだ。

私が子どもの頃は、学校図書館にはちゃんと専任の先生がいた

他の先生みたいに怒らない優しいイメージだった。

実際、掃除当番の私たちは掃除もせずにサボってばかりで、

怒られても当然のことをやっていたはずなのに。

机の上を飛び移って競争なんかしてたし、

百科事典で面白い写真を探してたり…まともに掃除した記憶がない。

 

先生、その節は、ほんと、ごめんなさいm(__)m;;;

 

 

しかし、あれからうん10年が経ち、我が子が小学校へ入学したら、

 

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図書室はいつも閉まっていて、専任の先生もいなかった。

週に1度の「図書」の時間にしか本が借りれないという。

なんと!驚きました。

「図書」の時間が無い週もあるじゃないですか?

いや、不便でしょう。なんだか不憫に思えてしまいました。

 

 

ところで学校図書館法では、

級数が全部で12学級以上の学校には、必ず司書教諭を置くようになっています。

その司書教諭というのは、

教諭免状を有する者が、5科目10単位の司書教諭講習を受けると取得できます。

だから、その学校にたった1人、

その司書教諭資格をもつ先生がいれば、一応OKなんですよ。

しかし、図書室に専任することまで求められていないので、

大抵は学級担任をされているんです。

 

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これでは、図書室がいつでも利用できないのも仕方がありません。

自分の授業があるし、自分の学級のことで手一杯と思います。

 

しかし、図書室を良い意味でも悪い意味でも、

目一杯楽しんでいた私としては、やっぱり不憫だなと思いました。

 

 

一方、司書というのは、主に公共図書館で、

図書館資料の選択、発注や受け入れ業務、分類、目録作成、

貸出業務、読書案内などを行う専門的職員です。

その司書資格は、一応、国家資格なんですが、

大学及び短大などで13科目24単位を修了すると取得できます。

私はここ1年半、大学の通信教育でこの勉強をしていましたが、

てっきりユーキャンに毛が生えたくらいかと思って始めたので、

なかなかハードで、挫けそうになりながらやっとの事で修了しました。

いやはや、実に、周りが思っているより難儀なものでしたよ。

 

 

学校の図書室に司書がいると変わること 

 

では、学校図書館に司書を配置することで、何がどう変わるのでしょう。

この記事に書いてあるように、本の並び方が体系的になります。

それも、公共図書館が導入している「日本十進分類法」を基準に、

それとほぼ近い体系で分類されます。

すると何が良いかというと、この体系に慣れることで、

公共図書館の利用時に戸惑わないですむことです。

それと、自分が探している資料がなくても、

それと似た内容の資料が同じ棚に並んでますし、関連資料も見つけやすいのです。

司書は分類の専門職という意味でも、学校の図書室に必要なのだと思います。

記事に、

調べ学習のための本と読書のための本を別にして、

著者順に並べる形に変えた

とありますが、それは、こういう意味を含んでいます。

 

そして、著者順というのは、特に絵本の棚に良い効果が現れます。

子どもは見た目で本を選ぶことも多いですが、著者順にすると、

その子の好みの絵の絵本がまとまって並ぶことになります。

すると、好きな絵本の近くにこれまた好きな絵本が次々見つかるわけです。

これだと子どもでも、自分で探しやすいですね。

 

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情報リテラシーの基礎づくりを学校の図書室で

 

調べ学習の本とは、参考図書のことです。

通読はしないで、調べものに必要な箇所だけ読むような本のことです。

こういう本は公共図書館でも別に置かれていて、貸出はされないことが多いです。

しかし、必要があれば図書館員に言ってコピーしてもらえます。

 

学校での調べ学習は、最近特に注目されていますが、

要するに、情報リテラシーを身につけることを目的にしています。

ありとあらゆる情報に囲まれた現代人に、今、最も必要な力です。

 

でも、課題があって、参考図書が揃っているからといって、

「さあ!」といきなり調べられるかというと、実は大人でも難しいです。

参考図書も使う順番というのがあります。

ざっくり言えば、

まずは百科事典やなんかで概要を調べて、

キーワードをピックアップして、

索引なんかから真髄へと探っていく、というような感じです。

実は司書は、こういうことも専門に学んでいます。

記事によると、図書館で授業する試みもされているようですが、

図書館で授業することで、

参考図書の利用の仕方について教わることが出来るというわけです。

 

 

先日、うちの子(小5)が学校の授業で、

インターネットを使って調べものをしたようです。

 

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 このインターネット検索においても、司書はちゃんと専門知識をもっています。

今や図書館では、アナログな図書だけでなく、

電子資料やインターネット上の資料も含めて図書館資料として扱うからです。

また、論理演算とかトランケーションとか、

まあ、そんなような専門の事も勉強して、

検索においてもずぶの素人ではいられないのですね。

 

 

ただ、私が個人的に考えるのは、

小中学校での調べ学習は、やっぱり、

参考図書で調べる基本中の基本を教えてもらいたいです。

インターネットからは統計なんかの最新情報を入手するには便利だけれど、

小中学校でデータベース化された学術雑誌なんかは必要としません。

それよりも、調べものの基礎的な力をつけておくのが先決と思うからです。

それに電子情報まで資料範囲を広げることで、

逆に調べ学習を難しくしているんじゃないでしょうか。

ここで問題なのは、

調べ学習に必要十分な資料が学校の図書室に揃っていないことかもしれませんね。

 

 

司書って、カウンターに座ってるイメージだもので、

本当はどういう働きをする人か一般には知られていません。

だから、私が『ユーキャンに毛が生えたもんじゃね?』と、

うっかりあっさり足を踏み入れたんですね。

本当に、知られていないことが多すぎるなぁと、これはまさに実感です。

 

 

直ぐ見える結果と、じっくり育まれるもの

 

読書を通じて相手を思いやる心が芽生え、学習意欲も高まっている。

 

記事中の校長先生の言葉です。

 

なるほど、校長先生というのは、

どうしても、情緒的な効果を入れがちなんですよ。ほんと。

子どもの学校から届く「学校だより」も、いつもこんな感じです。

その方が、大人のウケがいいですからね。

 

しかし、相手を思いやる心は、そうそう測れるものではないのです。

だからこれは、

「相手を思いやる心も、きっと芽生えているだろう」

という希望的観測でしょうね。

でも、言い切っちゃうんですね。

「勉強のためだけじゃないですよ〜」という牽制でしょうか。

いろいろ気をつかうのでしょうね。

 

 

しかし学習意欲のような、

知りたい事を見つけて突き進む気持ちは、

きっとすぐに、目に見えて態度に現れるでしょう。

それは、読書でも調べ学習ででも養われるでしょう。

このことは、優に想像ができます。

 

特に、「読む」という行為は、自分がそう仕向けないと出来ないものです。

映像などは、なんとなく見てるだけでも見た気になるけど、

「読む」っていうのは本当に、

複雑なものであればあるほど、

頭を研ぎ澄まさないと脳に入っていかないから根気が要ります。

でも、長い物語なんか読み終えた時の満足感は、

高い山を登り終えたような感覚に近いんじゃないだろうか。

高い山、登ったことないけど。。。^^;

 

 

勉強が忙しくなる前の小学校時代に、

ぜひ、この感覚を味わっておいてほしいものです。

 

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その経験があれば、中学や高校で一旦読書から離れたとしても、

また本でも読もうかという頃がきっと来るはずです。

 

 

では、相手を思いやる心の方はどうでしょう。

これは、いつの間にか何のせいか分からないようにして、

ひとりの人の中で育っていくものではないでしょうか。

ただ、

子どものために選び抜かれた本が並んでいて、

心ある大人の見守りがさりげなくある環境というのは、

子どもの心の成長に良い影響を与えることは確かだと思います。